語学コーチとは、どんなお仕事ですか?
語学コーチは、語学学習において、トレーナーとカウンセラー(メンター)を併せたような存在です。
学習者の半歩前を一緒に走りながら前進できるようアドバイスもします。
ただ、アドバイスするだけでなく、ペースが落ちたり、つまずいたりしたときには、一緒に解決に向かえるよう、問題に向き合ったり、もっというと受講生自身に向き合うサポートをする、そういう仕事です。
これまでも、いわゆる中国語教室で中国語教育を行ったこともありますが、コーチとして受講生に向き合うとき、より深い部分で受講生と向き合えることができていると感じています。
なぜコーチになろうと思ったのですか?
私は学校を卒業してからずっと、翻訳や語学教育に携わってきました。
その中で、常に「効果的な外国語学習とは何か」を模索してきました。また、人間と人間のつながりのなかで生まれるものにとても魅力を感じています。
セッションで受講生からいろいろな疑問をLINEなどでお受けする場合があります。その都度お答えしますが、顔を見ながら話し合い、発音などの細かい点についてお伝えすることで、受講生の進歩を肌で感じることができます。
また、文字ベースでは解決できなかった疑問が、顔を見ながら話すことで一気に解決することもしばしばですし、学習に行き詰まったり、モチベーションが上がらないなど、受講生の生活やメンタルの状態に関係した事柄は、セッションで実際にじっくりお話をお伺いしてはじめて的確な提案をすることができます。
そうした経験から、やはり語学はAIなどの無機質なものからではなく、主に人間から学ぶのが一番効果的、という結論に達していて、中でも教室で行うティーチングではなく、受講生の自律的な学習をサポートするコーチングこそ、現状最も効果的な学習だと感じています。
それで、学習をサポートするコーチという仕事は、中国語の学習者として、また教育に携わる者として、とても魅力的な仕事だと感じたためです。
セッションで大切にしていることは何ですか?
一番大切にしているのは、「受講生がコミュニケーションの楽しさを感じられるようサポートする」ということです。
学習中の言語を使ってコミュニケーションをし、いろいろな問題に取り組むのは、少なからず負荷のかかる作業です。それを乗り越えて勉強を続けられるためには、実際に言語を使って感じた“驚き”や“楽しさ”などの感情が原動力になることが多いです。
受講生がその時その時の課題に取り組みながらも、その言語を使って言えるようになったこと、実際に言葉にして伝わったときの“喜び”を感じられるようなサポートをしたいと思っています。
仕事をしていて良かったと思うのはどんな時ですか?
さきほどのポイントとも共通しますが、やはり「伝わった」「こんな単語が聞き取れた」と受講生が理想に向けて近づいていると感じられるとき、喜びを感じます。
さらに、「よりネイティブらしい言い方ができた」、とか「ちょっとした言葉のニュアンスの違いを理解できた」など、その時その時の課題を解決しながら、それを楽しみながらできているのをみると、私もうれしいなと感じます。
休日はどんな過ごし方をしていますか?
一人で本を読んだり音楽を聞いたり、ウォーキングをするのが好きなんですが、他にもボランティアをしたり、家族や友人と会うようにしたりと、人と会うようにしています。
あとは旅行ですね。旅行はアジア中心で、これまでタイ、マレーシア、ミャンマー、ラオス、中国、香港、台湾などを旅行してきました。
他にも、外国語学習が趣味なので、中国語以外の言語を勉強するのも大好きです。ちょっと前までタイ語を勉強していました。また何か新しい言語を勉強したいなあと考えています。
今後、目指していることは何ですか?
引き続き語学コーチとしてのキャリアを積んでいきたいです。
AIやチャットボットなど、私達の仕事や生活を劇的に変える技術が開発されても、人と人のコミュニケーションの楽しさはずっと変わらないと思います。
それどころか、今後そうしたアナログなコミュニケーションの重要性がより見直されてくると感じています。
私は、常にそうした時代の変化に対応できるようなコーチでありたいと思います。